映画「大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]」

古代の一時期の例外を除き、

男系社会と言われる日本。

しかし…

実は、男女の立場が完全に逆転した時代があった。

男子のみがかかる、赤面疱瘡という奇病が大流行し、

国中の男子が激減したためである。

そして家督を継承した女子は、

男子がそうしたように、

お家の存続のため、

王室や側室を持ったのだった。

「延宝9年『1681年』冬・京」

まだ暗い京の町

日本家屋が並ぶ中、
五重の塔がそびえ立っている。

灯篭がともる冷泉家の武家屋敷では

部屋を暗くし奥方と右衛門佐が床を共にしていた。

暗い中、鼠に驚き右衛門佐と抱き合ったまま
奥方は体を起こした。

鼠はどこかへ逃げて行った。

「ただの鼠やあらしゃいませんか」
奥方を抱きながら彼はそう言った。

「2人目の子供を授かるまで、ず~と
通うて下さいませ」

奥方は右衛門佐を抱いたまま
彼の耳元で言った。

「はい。喜んで」と右衛門佐は言ったが

彼は(わしは鼠や・・)と
床の中で鼠のような事をしている
自分を情けなく思っていた。

   『大奥』~永遠~右衛門佐・綱吉篇

江戸の城下町は大勢の人でにぎわっていた。

場内の架け橋を渡った「大奥・御広敷御門」に
旅の一行が到着した。

七つ口に運び込まれた、
たくさんの食材を分別する大奥女中達。

そして沢山の米俵や藁も場内に運ばれた。

城の廊下を通り眼鏡を付けた秋元(御台所不中臈)
が御台所(将軍の王室)信平の所へ向かった。

その途中、秋元は眼鏡を落とすが
しゃがんでそれを拾いかけ直した。

信平の所へ着いた秋元は
「御台様間もなく惣触の刻限にございます」
と言う。

「うん、せやな」彼はそう言った後
一行を連れ、廊下を通り大広間へ向かう。

声(姫、今日からそなたに文を書いてみようと思う。
しかしこれは決してそなたには届かぬ文である

なぜなら、大奥で見聞きしたことは全て
他言あるまじき事故 これはあくまでも備忘録

私だけの日記となる事だろう)

将軍綱吉の側室 
伝兵衛一行も大広間に行くため廊下を行く

そして将軍の父、桂昌院を乗せた駕籠を持ち
一行が大広間に向かった

大部屋に付いている沢山の鈴が鳴り響いた。
そして家来達は皆大部屋の端に座りひれ伏した。

扉が開き、桂昌院は頭を下げ
他の者は手をついてひれ伏し

その真ん中を将軍綱吉が眠そうに歩く。

彼女は一目で「将軍」と分かるだけの
派手な衣装に身を包んでいる。

彼女の後ろを桂昌院・伝兵衛・信平達は付いて歩いた。

そして跪いている一人の武士の前に立ち
「その紫の裃の者、面をあげよ」と
彼女は笑顔で言った。

しかしその武士の面を見て真顔に戻り
「よいよい、何でもない」と言って去って行った。

辺りが暗くなり
側用人・牧野備後守成貞の屋敷
の舞台では能が行われていた。

声(男子のみに発病する疫病のため
将軍家においても将軍職は女子の継ぐ所となって

早三年、家光公、家綱公そして五代将軍
綱吉公。もはや女子継承は仮の措置とは言えない。)

能の舞台と同じくらいの高台の上に綱吉公はおり
、家来が注ぐ酒を飲み食事をしている。

綱吉公の付近には 
将軍 側用人 牧野備後守成貞・成定の夫 阿久里
成定の息子 貞安・貞安の嫁 時枝がいる。

能が終わり成貞は
「上様、今宵は斯様なお見苦しき
場所に御御足をお運び頂き誠に恐悦し存じまする」

と彼女は手をつき綱吉公に頭を下げた。

「いやぁなかなか見事な宴であったぞ成貞」
綱吉公は成貞に言った。

夫と共に成貞は綱吉公に頭を下げる。

「ところで、阿久里」綱吉公は彼の方を向き、

「久方ぶりじゃのう。館林以来じゃの」
と執拗に阿久里に話しかける。

「はぁ。」将軍にそう言われ阿久里はうなづく。

「疲れた。中で休みたい。」綱吉公はそう言った。

「はっ只今。」成貞は綱吉公の要求をお笑顔で呑んだ。

その後、綱吉公は室内へと移動する。

その部屋には袴姿の武士が五名が綱吉公へとひれ伏している。

「おお。これはこれは見ずれ劣らぬ。」
綱吉公は五名にそう言った。

「上様のお気に召されますかどうか。」
成貞は綱吉公の趣味に合わせた五名を彼女の為に用意した。

しかし

「皆の者全員下がっても良いぞ。大義であった。」
そう言いだした綱吉公に

「上様!何か不手際が・・」
家貞は、焦った声で彼女にそう尋ねた。

家貞に向かい「そなたももう下がっても良いぞ」
そう綱吉公は言った。

阿久里は障子を開け、家貞と共に
部屋を後にする袴姿の五人ヘひれ伏した。

そしてその後部屋を後にしようと歩き出した
2人に

「ああ・・・阿久里はここに。」
そう彼だけはここに残るよう綱吉公は要求した。

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