映画「がじまる食堂の恋」

何層にも見える海。
その上には薄い雲が広がる空があり
下の浜辺には誰もいない。

「今幸せですか?」

「分かりません。」

「幸せになりたいですか?」

「多分」

「あなたにとっての幸せは何ですか?」

「大事な誰かのそばにいられる事」

女性(みずほ)がジャングルのように生い茂った木の下に
いて自問自答をしている。

彼女は赤いベンチに座り 
そしてその近くには赤い自転車がある。

彼女は立ったまま木に手をそえて
目を閉ざしいている。

「あなたがそばにいたい人は誰ですか?」

そう言った
“みずほ”はゆっくり目を開ける。

「私が一緒にいたい人それは」

そう言うと“みずほ”は再び目を閉じた。

すると木から一枚の木の葉が落ちてくる。

それは彼女の頭の上に停まった。

するとスーツケースを引いた“誰か”が現れた。

彼は“みずほ”の近くにより
彼女の頭の上にある木の葉を持ち

それを彼女の手に握らせた。

それから彼女の頭に
と2回手の平で「ポン、ポン」
と軽く頭を叩いた後、

“誰か”は再びスーツケースを引き
彼女の許から立ち去った。

彼女は瞳を閉じたままだった。

《がじまる食堂の恋》

“平良”の立て札が掛かった
スライド式の扉を開け、

家の中から“みずほ”が出てきた。

彼女は白いYシャツの上に薄青色の上着を着て
首には白いマフラーを巻きつけている。

家の前の広い通路には
“シーサー”の石像が置かれている。

彼女は家の前から敷地の中は自転車を引き
通りに出てから赤い自転車に乗り進んだ。

“みずほ”が向かった先の通路には
彼女が座っていたベンチがあった。

彼女はストアで食材を購入し

ホテル山田荘の前を通り

喫茶店で飲み物を購入し
タンブラーに入れてもらい、
それを持ち

喫茶店の前の道路を挟んだ所にある
“がじまる食堂”へ入った。

この食堂は彼女が経営していた。
食堂の中には、数枚の写真や絵葉書の他
壺が3つある。

彼女は厨房前のカウンターに
先程購入した食材の入ったカバンを置き、

食堂の奥に置いてある戸棚を開け
今は亡き祖母と自分が映っている写真を見ながら、

「今日も一日がんばります。」と
写真に向かいそう言った。

食堂の営業時間になった

、顔なじみの男性3人が丸いテーブルに座り
注文を聞きに来る“みずほ”を待ちながら話している。

「恋カツぅ・・・婚活じゃなくて?」
モヒカン頭の男性は友人へ疑問を口にした。

「いきなり結婚じゃハードル高いだろう。
まず男女のお付き合いから学びましょうって事で
参加費5,000円。」
ガソリンスタンドの職員のような男性が言った。

「金とんのかよぉ」パイロットのような男性が
悲痛な表情で言った。

「でもおかげでコウテイの辰夫、彼女出来たって!」
ガソリンスタンドの職員のような男性が言った。

「いらっしゃいませ~」食堂に入ったお客に
“みずほ”が言う声がした。

「へぇ~」モヒカン頭の男性は腕を組み
感心したようにうなづいた。

「3,000円にまけてくんないかな~」
パイロットのような男性はまた悲痛な表情を浮かべた。

「行くのかよ」
モヒカン頭の男性は腕を組んだまま
パイロットのような男性に言った。

パイロットのような男性は情けなさそうに
恋活のパンフレットを見た。

そこへ「ご注文は?」エプロンと
おしゃれな三角巾をかぶった“みずほ”が
注文を聞きに来た。

「ああ、“みずほ”もドウよ。」
パイロットのような男性は

『恋活のパンフレット』を持ち、
「婚活」と言いながら彼女に尋ねた。

直後「恋活ね。」モヒカン頭の男性は訂正した。

「いや、どっちでもいいさ」
パイロットのような男性は突っ込み返した。

「何が?」注文を取りに来た“みずほ”は
予想外のパンフレットを見せられ
一瞬考えたそぶりを見せるが、

「そう言うのパス」とそっぽを向いた。

「来れば絶対モテルって」モヒカン頭の男性は
“みずほ”に言った。

「参加者、おばちゃんばっかだと思うよ」
パイロットのような男性は“みずほ”に言った。

そして3人は彼女にほほ笑んだ。

しかし「頼まないなら帰ってくれる?」
“みずほ”はメニューを3人に見せ
ぶっきらぼうな口調でそう言った。

「ああ。お祖母の“かじまるそば”」
パイロットのような男性はそう注文した。

「ありません」“みずほ”は即答する。

「メニューに書いてあるだろ」
パイロットのような男性は“みずほ”に言った。

「ん?何処に」彼女はメニューを
見ながら不思議そうなそぶりを見せた。

「ここぉ」メニューを指差して
パイロットのような男性は言った。

「ん?」“みずほ”はメニューを確認し
「ないじゃない!」
と威圧的な態度で彼に返した。

パイロットのような男性はメニューをよく見て
「えっ?前あったのに勝手に消してるさぁ・・」
と嘆いた。

嘆いている男性に
「あれだって作るの面倒くさいんだもん」
と言った。

「面倒くさがるなよぉ」
パイロットのような男性は
嘆きながらそう言った。

「メニューにある物しか出せません。」
嘆く男性を無視して“みずほ”は頑なにそう言った。

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