映画「女の子ものがたり」

半そでを着て黒いズボンを履いた男性(財前)が
河川敷の土手を歩いている。

彼は手にカバンと漫画の原稿を持ち
一軒の和風の家を訪れた。

玄関でノックをし彼は「こんにちは。」と声をあげた。

しかし返事はない。

彼はもう一度ノックをし

「あのー、誰かいませんか?」と声をあげた。

すると

「いないよ。」と女性の声がした。

財前が振り返ると

ピンクの頭巾をかぶって黄色い絵柄の半そでを着
ジーンズにサンダルをはいた女性(高原菜都美)
が真顔で財前を見ていた。

高原は子犬の散歩から帰った所だった。

「編集の財前です。」
財前は高原に微笑み挨拶をした。

「何処の?」高原は全く微笑まず真顔で財前に聞いた。

「葵出版社です。」財前は高原に勤務先を言った。

「あっ・・・そう。」それだけを財前に言い

高原は鍵を開けないで、玄関を開け中に入った。

「鍵かけてないんですか?」財前は高原に尋ねた。

「うん。」彼女は言った。

「不用心ですよ。」財前は高原に言った。

「盗られる物ないから。」
高原は振り向かず財前に言った。

「大事なものいっぱいあるじゃないですか。」

そう財前は言った。

財前の言葉を無視し、被っている頭巾を外し
彼女は家の中へと進んで言った。

「お邪魔します。」そう言い
財前も、彼女の家の中へ入った。

高原の家の中はかなり散らかっていた。

「編集長に言われて来たの?」
犬に餌をあげながら彼女は財前に言った。

「あっはい。」財前は答えた。

「気を付けなよ。こっちの趣味あるって噂だから。」
高原はジェスチャーで編集長が同性愛者
かもしれない事を財前に言った。

「部屋片付けていいですか?」財前は女性に尋ねた。

「何で?」彼女は財前に尋ね返した。

「片付けますね」財前は高原の質問には答えず
黙って部屋のごみを片付け出した。

「漫画好きなの?」買って来たお菓子を食べながら、
部屋を片付ける財前に向かい高原はそう質問した。

「僕 中学の時、高原先生のファンだったんです。」
財前は彼女にそう告げた。

「だった?今は?」高原は真顔で財前に聞き返す。

「今は?・・・・そのぉ・・」
財前は高原の方を見て言葉に詰まった。

「違うんだ・・」高原は淡々とし、財前にそう言った。

「先生が以前書かれた『心の中の不思議なタンス』
あれ感動しました。」財前は高原に言う、

「ココタンね~ 全然売れなかった。」
高原は懐かしそうな声を出したと思ったら
ふてくされたような声を出し缶ビールを開けて飲み、

「知ってて言ってんの?」と財前の方を振り向いた。

「・・・・仕事しましょ仕事。」財前は高原に言った。

が「あ~」その直後
開けたビールをうまそうに飲んんでいる高原に
財前は「ちょっと何飲んでんですか。」
と指摘をした。

が高原は財前の指摘を質問と取り違え、
彼にに
「ビール」と飲んでいる
アルコールの名称を答えた。

「そう言う事を聞いているんじゃなくて・・・」
彼はそう言った。

高原は「・・・あ・・え~っ」財前を指差しながら
先程聞いた彼の名を思い出そうとした。

が「善哉君も飲む?」と高原は
彼の名前を間違いながら酒を勧めた。

「あの、善哉じゃなくて財前です。」
少しだけ笑いながらそう言った財前に

ソファに横になり「財前・・・財前・・」
そう言いながら彼女は寝た。

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